VPSとクラウドってどっちがいいんだろう?
そんな疑問を解消するためにこの記事では両者を比較していきます。
この記事の内容
- VPSとクラウドの契約形態の違い
- 料金の違い
- 機能性・柔軟性の違い
- VPSとクラウドどちらを使うべきか
VPSとAWSやGCPなどのクラウドの違いについて知りたかったら参考にしてみてください。
VPSとクラウドの違いを見ていきましょう。
VPSとクラウドの違い
クラウドっていうものの定義が怪しい気もするけど、VPSとの違いについて知りたいと思っているぐらいだからAWSのEC2やGCPのGCEなどを思い浮かべているんじゃないかなと思います。
主にそれらとの違いとして、使い方は似ているけどいくつか違いがあります。
契約形態の違い
まず大きな違いとしては契約形態が違います。
契約形態の違い
- VPS・・・1契約で1台のサーバーを使える
- クラウド(AWSやGCP)・・・1契約で複数のサーバーを使える
AWSやGCPなどのクラウドは登録してしまえば、後はサーバーを複数台自由に立てることができます。逆にVPSの場合はメモリや契約期間を選んで1つのサーバーを契約するという流れです。
VPSは複数サーバー使いたいならその分月額いくらかっていう感じなんだね。
そうだね、クラウドはそんなことないですけどね。
クラウドの場合は使った分だけ料金を支払う必要があるっていう従量制課金が多いです。
料金形態
- クラウド・・・従量制課金が主
- VPS・・・サーバーごとに月額制課金が主
従量制課金のAWSやGCPはどれぐらい料金を支払うことになるか明確ではないけど、VPSは月額いくらかなので安心して使うことができます。
スペックの充実度の違い
スペックの充実度としては圧倒的にクラウドの方が充実しています。仮にAWSのEC2のインスタンスタイプだけを見てみるにしても数百とあります。
VPSの場合はこれほどサーバーのスペックを選択することはできません。また、クラウドの場合は自分でネットワークを区切ったりすることもできるので構成を色々考えて構築したいっていう場合にはクラウドでサーバーを立てるのが良いでしょう。
VPSの場合はそういったこともできず、ロードバランサーなんかも基本ないです。
またAWSやGCPにはかなり多くのサービスがあるのも特徴的ですね。
VPSの場合は基本的にサーバーを立てるっていうだけなのでAWSのようにたくさんのサービスはありません。言い方が雑になってしまうけど、拡張性の低いEC2やGCEというのがVPSのイメージに近いかもしれません。
柔軟性
サーバーのスペックを変更したかったら柔軟に変更できるのはクラウドです。簡単にCPUやメモリの増強ができるので、Webサービスの利用者数や負荷に応じてスペックを変更することができます。
VPSの場合も一応できるんですが、プランの変更という形をとるのでクラウドほど柔軟にはいきません。変更したい時には1GBプランから2GBプランへ変更をするっていう感じです。もちろんその際に料金も変わってきます。
ポイント
- クラウド・・・管理画面から簡単にスペックの変更が可能
- VPS・・・スペックを変更する際はプランを変更する(料金もプランによって変わる)
クラウドの方がやりやすそうだね。
そうですね、色々柔軟に対応できるのがクラウドの良いところだね。
VPSとクラウドの料金の違い
料金の大まかな違いはさっきもちょろっと書いたけど、月額課金のVPSと従量制課金のクラウドでしたね。
料金体系
- VPS・・・月額課金
- クラウド・・・従量制課金
それぞれどれぐらいかかるもんなんだろう?
例を少し出してみましょう。
仮にメモリ2GBでサーバーを使いたいっていう時にかかる料金を見てみます。(AWSとGCPに関してはインスタンスタイプが多すぎるのであくまで参考程度です。)
さくらのVPS | ConoHa VPS | AWS EC2 | GCP GCE | |
プラン | 2GB(年額) | 2GB(12カ月契約) | t3.small | e2-small |
vCPU | 3 | 3 | 2 | 2 |
メモリ | 2 | 2 | 2 | 2 |
1カ月あたりの料金 | 1594円(石狩リージョン) | 535円(VPS割引きっぷ) | $19.86 | $16.99 |
こうしてみるとVPSの方が安いですね。ConoHa VPSの安さが際立ちます。ConoHa VPSはVPS割引きっぷという3カ月以上の契約をするなら使えるプランがあって、これにするとかなり安いです。
もちろんサーバーのスペックは諸々変わるだろうけど、この安さには惹かれてしまいますよね。
AWSには見積もりツールがあるので、AWSを使う場合はどれぐらいの料金になるか試してみるといいですね。
クラウドにはクラウド破産がある
クラウドは従量制課金でいくつもサービスがあるので、なかなかどれぐらい料金がかかるのか判断しづらいです。インスタンスだけではなく他の部分でもかかるので「こんなところで料金発生しているのか」なんてこともあるでしょう。
また、誤ってGithubにAWSのシークレットキーを上げてしまったりすると悪用されて莫大な請求が来たなんて話もあります。いつの間にか料金が発生していて払えない・・・なんて事態は怖いですよね。
クラウド破産怖いね。
結構ビビりますよね。
管理画面で課金額のチェックは頻繁に行うようにして、予算アラートを設定しておくといいでしょう。
VPSとクラウドの使い方
AWSやGCPでは柔軟性が高くスペックを簡単に変更したりネットワークを区切ったりといったことができますが、サーバーを設置してしまえば基本的な操作の違いはありません。
どちらもサーバーの中に入ってコマンドを実行して作業できますし、root権限があるので自由です。
どちらもできること
- root権限がある
- SSH接続が可能
- 言語やWebサーバー、データベースなどのインストールが可能
- Webサービスの公開が可能
基本的な操作はVPSでもクラウドのサーバーでもできるんだね。
基本的にはそうで、クラウドの場合は拡張性が高いですね。
クラウドの場合はRDSやロードバランサーなども使えるのでできることは幅広いです。
VPSからサーバー以外のAWSのサービス使えばいいじゃん!っていう気持ちもあるけど、それやるなら最初からAWS使えばいいんじゃないとも思ったりします。
難易度
明らかにクラウドの方が難しいです。VPSの場合はボタンぽちぽちしてサーバー立てたら後は接続して自由に操作っていう感覚ですが、クラウドの場合はそのサーバー立てるまでにネットワークどうしようかとか、データベースはRDSサービス使おうかとか色々考えなければなりません。
VPSの場合はサーバー立てて後はサーバーの中で自由にやるだけなので、そこまで考えることもなく楽です。
インフラの知識がないとなかなかAWSやGCPを使ってすんなり作業するっていうことはできないでしょう。
VPSとクラウドどちらを使うか
VPSとクラウドのどちらを使うかですが、今まで書いたことをまとめるとこんな感じです。
ポイント
- VPSの方が安い
- 拡張性・柔軟性があるのはクラウド
- クラウドの方が難しい
好みもあるだろうけど、個人で利用するならVPSでいいんじゃないかな?と思ってしまいます。VPSの方が安いしクラウドを利用するほどのスペックを求めることはあまりないでしょうから。
ただ複数人でサービスを作って公開したり、かなりガチでWebサービスを運用したいならクラウドがいいかな。求められる知識は多いけど、できることは幅広いので機能的に困ることはないでしょう。
まとめ
VPSとクラウドについて見てみたけど、今回書いた内容としては以下です。
まとめ
- VPSの方が安いが、拡張性はクラウドの方が高い
- クラウドの方が難しい
- クラウドはクラウド破産に気をつけよう
- 個人で使うならVPSをおすすめします
それぞれ良い部分はあるけど、使う場合は何をしたいかをまずは考えてみるといいですよ。
小規模のサービスならVPS、かなり本格的にやりたいならクラウド。個人的にはクラウド難しいし、クラウド破産も怖いのでVPSで結構な場合いいんじゃない?とか思ってしまいます。